インターネットはWeb1.0からWeb2.0へと進化し、今まさに「Web3.0(ウェブスリー)」という新しい時代に突入しつつあります。
Web3.0は、ブロックチェーンやトークン、スマートコントラクトなどの技術を活用し、個人が自らデータや資産を所有・管理できる「分散型インターネット」の実現を目指しています。
日本でも経済産業省が推進策を打ち出し、NFTや地域通貨などを用いたプロジェクトが全国で進行中です。
本記事では、Web3.0を支える3つの柱(ブロックチェーン・トークン経済・スマートコントラクト)についてまとめています。
Web3.0について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
Web3.0とは?
Web3.0(ウェブスリー)は、「分散型インターネット」と呼ばれ、従来の中央集権型(Web2.0)とは異なる新しいインターネットの形です。
Web2.0では、FacebookやGoogleなど大手プラットフォームがユーザーのデータを管理・活用していました。
しかし、Web3.0ではブロックチェーンを中心とした技術により、ユーザー自身がデータやデジタル資産を所有します。
日本でも経済産業省がWeb3.0の推進に取り組んでおり、NFTや地域通貨を活用した地域活性化プロジェクトなども進行中です。
これにより、透明性の高い公平なインターネット環境の実現が期待されています。
第1の柱:ブロックチェーン(Blockchain)
ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンは、取引データを「ブロック」として記録し、それらを「チェーン」の形で時系列に連結する分散型台帳技術です。
各ブロックには前のブロックの情報が含まれており、改ざんが極めて困難な技術です。
また、ネットワーク上の複数のノードで同じデータを共有するため、ブロックチェーンを利用することで高い透明性と信頼性を担保できます。
公開型ブロックチェーン(パブリックチェーン)では、誰でも取引履歴を確認・検証可能です。
金融取引やサプライチェーン管理、デジタル資産管理に活用されます。
さらに、企業向けにはアクセス権を制限した許可型ブロックチェーン(プライベートチェーン)もあります。
パブリックチェーンよりも迅速な取引が可能で、大幅な業務効率化やセキュリティ向上を図ることもできます。
日本でのブロックチェーン活用事例
日本におけるブロックチェーンの活用事例もいくつかまとめておきます。
- 三菱UFJ銀行:ブロックチェーンを活用した国際送金システムで送金手数料や時間を削減。
- 物流分野:出荷から消費者までの情報をブロックチェーンで管理し、トレーサビリティと安全性を向上。
- 行政・公共サービス:地方自治体での地域通貨や投票システムの実証実験。
第2の柱:トークン経済(Token Economy)
トークンの種類と役割
トークンは、ブロックチェーンを用いて発行されるデジタルデータで、価値をデジタル化して表現する手段になります。
そのため、Web3.0経済の中心的役割を果たす技術になり、暗号資産(仮想通貨)やNFTなどが代表的な例です。
具体的には、以下のような種類のトークンがあります。
- ユーティリティトークン:プラットフォームやサービスの利用に必要なトークン。例:ETH, BAT
- NFT(非代替性トークン):デジタル資産の唯一性・所有権を証明するトークン。例:アート、ゲームアイテム
- セキュリティトークン:株式や不動産など現実の資産をトークン化したもの。規制対象。
- ガバナンストークン:プロジェクトやDAOの意思決定に使う投票権トークン。例:UNI, AAVE
- ステーブルコイン:法定通貨に連動して価格が安定するトークン。例:USDT, USDC, DAI
- 報酬・インセンティブトークン:マイニングやステーキング、ネットワーク貢献への報酬として発行される。例:BTC, Filecoin
- ハイブリッド型トークン:複数の役割を兼ね備えるトークン。例:BNB(取引所手数料割引+ガバナンス+決済)
日本でのトークン活用事例
トークンは、次のような場面で活用されています。
- SHIBUYA109LAND:ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」と提携し、仮想空間上に商業施設を再現。
- 地域通貨トークン:地方自治体が発行するトークンで地域経済を活性化。
- NFTマーケット:アーティストや企業がNFTを発行・販売し、新しい収益モデルを構築。
企業や自治体はもちろん、個人にも多くのビジネスチャンスが生まれています。
トークの活用がさらに進めば、より大きな経済圏が形成されることは間違いありません。
第3の柱:スマートコントラクト(Smart Contract)
スマートコントラクトの仕組み
スマートコントラクトとは、契約条件をコード化しブロックチェーン上で自動的に契約を実行する技術です。
仲介者を必要とせず、コスト削減と透明性向上を同時に実現できます。
Ethereumなどのプラットフォームでは、DAOの運営や複雑な自動取引にも活用可能です。
日本でのスマートコントラクト活用事例
スマートコントラクトの活用事例はこちらです。
- 大和ハウス工業:不動産取引でスマートコントラクトを導入し、契約手続きを自動化。
- 保険業界:保険契約条件の自動化で請求手続きを迅速化。
- 物流業界:配送条件や納品条件を自動実行し、業務効率化。
Web3.0の未来と日本の立ち位置
Web3.0は、ブロックチェーンやNFT、DAO(分散型自律組織)といった技術を基盤に「ユーザーが主体となるインターネット社会」を実現する新しい可能性です。
このWeb3.0の発展により、個人が自身のデータやデジタル資産を自由に管理・活用できる社会の構築が可能になりました。
世界的に見ると、米国はWeb3.0関連のスタートアップや投資が活発であり、欧州は規制整備に力を入れ、中国は独自のデジタル人民元を通じた国家主導の動きを強めています。
こうした中で、日本はまだ「挑戦途上」の段階にあります。
ですが、日本でも規制や法整備が徐々に進み、地域活性化、教育、金融、行政分野での実証実験も活発になっています。
また、日本は、アニメやゲーム、マンガといった強力なコンテンツを持っており、NFTやメタバース領域で世界的に注目を集めやすいポジションを持っています。
今後は、日本ならではの文化的資産やクリエイティブ力をWeb3.0と掛け合わせ、国際的な競争力を発揮できるかどうかがカギになると言えます。
まとめ
Web3.0を支える3つの柱「ブロックチェーン」「トークン経済」「スマートコントラクト」は相互に連携し、分散型インターネットの実現に不可欠です。
今回は、この3つの技術についてまとめました。
日本でもWeb3.0の導入が進みつつあり、今後の社会・経済の変化を理解する上で重要な技術領域となっています。
政府も「Web3.0推進」を掲げ、規制の明確化や税制の改善に取り組み始めており、スタートアップにとっての環境は徐々に整備されつつあります。
Web3.0に興味をお持ちの方は、ぜひWeb3.0についてチェックしてみましょう。
また、Web3.0がどのような技術で成り立っているのかも調べてみると、より理解が深まることは間違いないです。